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利息制限法と出資法のグレーゾーン

出資法の金利と民事上の有効性について

利息制限法は、昭和29年6月15日に施行され、出資法(高金利の処罰)は昭和29年10月1日から施行されています。

出資法のほうが後からできた法律なので、これによって、出資法の限度までの高金利が民事上も認められたかどうかが問題となっていました。

しかしながら、その後の最高裁で、出資法の高金利の処罰の規定は、利息制限法の適用を除外する趣旨ではないと判断されましたので、利息制限法の制限というのは、出資法によっても変わらないということが確認されています。

出資法と利息制限法の優先適用について

出資法によって届出をした消費者金融(キャッシング)などの貸金業者が、契約したり受け取ったりすることができる利息や損害金について、東京高裁が判断したものがあります。

少し長いですが、以下、引用しますので参考にしてみてください。

「出資等取締法は、不当に高い利息または損害金を契約しもしくはこれを受領した者にたいして刑罰を科することを主な内容とするのに対し、利息制限法は、元本の額ごとに許される利息または損害金の限度額を定め、その制限を超えて利息または損害金が契約された場合の私法上の効力および実際にその支払いがなされた場合の返還請求権の有無についての規定を内容とする。したがって、出資等取締法と利息制限法とは規定の目的および性格を異にすることが明らかであり、しかも、出資等取締法は、その制限に反すると否とを問わず、契約されもしくは実際に支払われた利息または損害金の私法上の効力については何らの規定もしていないから、両者はとうてい特別法と一般法の関係にあるものとはいえない。それゆえ、上告人が出資等取締法により届出をした貸金業者であるからといって、その契約しもしくは受領すべき利息または損害金については、 出資等取締法が利息制限法に優先して適用されるものと解することはできず 、右契約の私法上の効力およびその請求権の有無については、営業の種類やその規模には関係なく一律に利息制限法が適用されるものといわなければならない」(東京高判昭和52.11.1判例時報876-94)

関連トピック
利息制限法上の手数料や礼金と利息について

利息制限法では、貸金(金銭消費貸借)に関して、債権者の受け取る元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その名称にかかわらず利息とみなすとされています。

それから、担保物実地踏査費用やその他の調査費についてですが、これは、仮に契約が締結されない場合でも支出すべき費用であり、本来は債権者側が負担すべきものですから、実際には費用として支出しているものであっても利息とみなされます。

契約締結費用・債務弁済費用

契約締結の費用や債務弁済の費用は、利息とはみなされません。

具体的には、抵当権設定登記費用や公正証書作成費用などが利息とはみなされないことになります。

契約締結費用について

契約締結の費用とは、契約締結の際に直接かかる費用のことです。

具体的には、公正証書作成費用や印紙代、抵当権設定のための登記登録費用(証書書換手数料は含まれません)などが該当します。

債務弁済費用について

債務弁済の費用とは、民法485条により原則として債務者の負担とされているもののことです。 具体的には、強制執行費用、競売費用、督促通信費用等がこれに該当します。

消費者金融と利息制限法との関係
商工ローンの保証料とみなし利息
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出資法の制限利息違反と消費者金融業者の処罰
消費者金融と重利問題
利息が天引きされた場合の元本金額
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出資法上の手数料や礼金と利息
消費者金融業者の出資法の制限を超えた利息要求と処罰
振込ローンの銀行振込手数料
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